「からかみや」シノダ

シノダは「住まいの総合商社」として知られている。モダンな青緑色が印象的な建物を本社とするが、昭和13年創業の「からかみや」としてデザイナーが唐紙選びをできるショールームを開いている会社でもある。
ショールームでは、スタッフの方が対応し、唐紙についての知識をお聞きすることができる。

唐紙にも幅広い意匠のものがあり、アートと呼ぶにふさわしい一点ものから、今の暮らしにもフィットするモダンなデザインのもの、古典柄の色を変化させたはんなりとした風合いが味わえるものと、千差万別である。

流麗な柳がエレガントな襖紙

古典柄でもモダンなものもある

地色に摺り色の組合せでオリジナルな色合わせが楽しめる
 染めと色胡粉摺り色と色雲母の摺り色を掛け合わせ、オリジナルの唐紙を楽しむことも可能である。

モダンなアクセントとして意匠を愉しむ

本来の唐紙としての使用もいいが、今流行りのパネル壁紙として楽しむもよし、小棚にアクセント壁紙として味わいを添えるのも、楽しそうである。

 


日本の織物壁紙

昭和17年創業の小嶋織物は、織物壁紙と織物襖紙を主に販売している。独自のデザイン・糸づくり、製織から製品の完成に至るまで、一貫した製品作りをおこなっている。
壁紙の制作に於いては、天然素材の麻や綿・パルプチップと素材にもこだわり、地球にやさしい自然由来の素材を使用した高品質な製品作りが行なわれている。

織物壁紙は、通気性に優れ、結露を軽減しカビの発生を緩和する。また、吸湿・調湿に優れており、室内のVOCの吸着にも貢献する。
織物壁紙というと日本の清楚な織物のイメージが強いが、時にラメなどの輝きも加えられたものもあり、海外の輸入壁紙とも相性が良い。

日本の織物壁紙だが海外の輸入壁紙とも相性も良い
整経機で縦糸を巻き付けていく様は圧巻である。

生地巾分の経糸をあらかじめ巻き付けていく

人の目による険反

新たな意匠壁紙へのチャレンジもしていて、ワッシャー加工の光物壁紙の創作も行われている。

ワッシャー加工の創作織物壁紙

パッチワークの創作織物壁紙
先日のJAPANTEXで発表された新作は、この1月に発売された。

デジタル機器も備え、凝った意匠の広幅印刷にも対応いている。
意匠を凝らしチャレンジする日本の壁紙が、新作として登場してきている。

 

 


2020東京オリンピックのエンブレムデザイン選考をされた 永井一正先生

先日整理をしていて、先生の記事を寄稿した社内報が出てきた。

永井一正先生は、オリンピックを始め数々のエンブレムやデザインを世に創り出し、2020年東京オリンピックエンブレムのデザイン選考の審査員代表を務められた。

スワロフスキー時代に先生の作品展をさせていただいたことがあり、ご自身で招待状も監修され、記者会見からレセプションまでの長丁場を柔和な面持ちも崩さずにご対応くださった。

早くもアジアに軸足をシフトしていたスワロフスキーが、香港と日本からのデザイナーによるセレクションというディフュージョナルラインを発表。赤い背景の「連」と名付けられた先生の作品は、丸と四角と三角が連なる調和から発想されたそうである。

連(右)永井一正作

3部作からなる先生のもう一つは「和」と名付けられたボールで、平和の象徴鳩がベースの部分についている。「2~3年経ても製品にならないんだよね」。オーストリーの職人の気の長い物づくりを、少しあきれ気味に語られていた。作品の発表に際しお連れした本部CEOに、「3つデザインを差し上げたが後の二つはいつ出るのですか」と話され、程なく3部作が完成した。黒が印象的な安定した調和を感じるこの二つの作品は、思い出の時を刻むキュリオケースに飾られている。

先生の直筆サインをいただいたSave Natureシリーズのポスターも仕事部屋に飾っている。白と黒の緻密なポスターだが、見るとふっと笑みが浮かぶ。

デザイン室を訪れたある日、先生はこの細かな線をひとつひとつ描かれていた。思わず「全部手で描くのですか」と、愚直な驚きを発した。

精密ながらなぜか柔らかくふわっと感じる線で生き物たちの住処が描かれ、同じくふわっとした柔らかい線で描かれた生き物たちがこちらを見つめる。

スワロフスキー時は細かなクリスタルを並べては、デザイナーを連れ駆け巡っていた。デザイナーは骨格やロゴを付ける場所まで細かく気にかけ、粘土でモックアップを作り、専門の技術者がファセットに落とし込んでいった。

今日お目に掛かるインテリアの作家たちも、ひとつひとつ、様々な手段でモチーフを起こし、人々を幸せにできればとデザインしている。昨夏から練られた新作のデザイン達が、年明け世界に向けてお披露目される。

 


佐藤オオキ監修 KASIYAMA DAIKANYAMA 内と外のあいまいな境界線

「丘」をコンセプトに、佐藤オオキが代表を務めるデザインオフィスnendoが建物および内装デザインを監修したカシマヤダイカンヤマが昨年オープンした。大小様々なハコを重ねたような、地下1階から地上5階までの全6フロアで構成る建物はオンワードホールディングスによるもので、カフェ、ギャラリー、マーケット、レストラン、バーなどが入る都会の洒落た空間になっている。

館内のインテリアや家具は全てnendoとonndoの監修により配置され。内外に設置された全200種類におよぶという植栽は、ガーデンデザイナーの長濱香代子氏による。

IN & OUT. 内と外との境界線は少し前からあいまいになってきているが、このカシヤマダイカンヤマはそれにグラマラスな要素が垣間見られる。

今のミニマルでソフトな空間を惹きたてるのは、アールデコテイスト。黒の脚と随所のアール、ボール型のランプがレトロなリラックスをもたらす。 

発表当初はキッチュなフォルムに思えたライスソファ(かな?)も、今のトレンドの手作り感を残したニートな空間に置かれると絶妙なフィット感である。少し時代を先取りしていた家具が、これからのインテリアスタイルを創り出している。

現代の玉砂利のようなモチーフはタイル。ひとつひとつの柄が違う。

モジュラー家具。吊る、動く。旬な要素が押えられている。

ペンダントライトやシャンデリアも変化が著しい。佐藤オオキお得意のフォルムのブラケットが、メタルのこんなグラマラスな照明になって登場している。

アールデコスタイルにキラキラ感、ドレープによるエレガントでグラマラスなシーンはバーコーナーで顕著になる。

ダイニングのソファやウォールも非日常感をかきたて、都会のオアシス空間を演出する。 

 

インテリアの内部に外部の要素を連動させる考えは、2020ダスハウスのコンセプトで、スペインのMUTDesignにより提示されている。内部空間と外部空間の間の境界を取り除くことにより、自然だけでなく、居住者のコミュニティ、そしてその先の世界の生活体験をも開こうというもの。建築と自然、屋内と屋外、プライバシーと共同生活の垣根を取り払うという自由な生活概念によっている。 

MUTデザイン 2020ダスハウス:ケルンメッセ

このモックアップがどのように具現化されているのか、現地での視察が待ち遠しい。