ザクラダ・アミムラ邸
ザクラダ・アミムラと云われる、完成はいつかと噂の某事務所(笑)。ルイス・バラガンのあの窓を作ってみようと、思い切って壁をぶち抜いて窓リフォームをしてみました。
仕事でフィルムを貼ったり内窓を付けたりは多々ありますが、枠を替え壁までやり直すのは大変です。思い描いていたあの窓。悩みに悩んで事務所で実現してみることにしました!
先ずどうなるか。外構を先に整え窓から見える景色の緑化を先行しました。材料は前回の外構工事で余っていた端材とホームセンターで仕入れた部材で、主に自分で頑張る作戦です。
思いを巡らせます
窓の外の緑化壁が出来たところで、『こんなにしてみたいスケッチブック』を広げ思いを巡らせます。
そんな時、イイなと思っていた暖炉に似た製品に遭遇。電気暖炉が入るサイズにオーダーします。
製作者の製品開発コメントに『ある暖炉の画像に惚れ込んでつくりました』とあり。製品を一目見て、あの暖炉に違いないっ、と思いました。
途中シンプルなデザインのタイプもあるがと話しいただきましたが、これを思って作られていませんか?と画像をお送り。やはりそうでした。もうこれは出会いと思って作るしかありません。
この時点でルイス・バラガンの再現は遠のきつつ。おまけにマッサージ機能付きラウンジチェアを見つけ、ゆっくり座るレトロな窓にテーマはすり替わります(笑)。
そうだ、ウィンドウベンチにしよう!
窓を楽しむには、そうだ思い切ってウィンドウベンチにしてみよう。設計に告げ、対応しかねる・・・とのことで、頭を巡らせ方法をさぐります。
ブルーグリーンで窓装をイメージ。ファブリックも準備し、壁もファブリックに合う色の腰壁で合わせて貼替えました。いよいよ窓工事に入ります。
サッシを入念に比較検討
事務所スペースは当初より樹脂サッシを使用していました。性能が良好で、他の窓も改装の折に変更しており、ここはやはり樹脂サッシにしたいところです。
3社を入念に検討の結果、大きな窓が作れないことが判明 (>_<)。今より小さくなるのは本来の趣旨にそわないので、窓のデザインを捨て大きさをとる選択となりました。
高さ、見映えを十分考えていたので現場で調整する話でしたが、サッシは組まれて到着。と言うことは、サイズは調整できません。
ウィンドウベンチを思っていましたが窓桟が予想をはるかに上回る太さ‼ ついにはウィンドウトリートメントすら付ける懐が確保できないこととなりました。
想定の幅が取れず、おまけに奥行きもカーテンレールを付けるくらいしかない。そんなこんなで、天井から壁装を付けるだけになってしまうのでしょうか。
こんな窓リフォームはいやだ!
折角壁を加工したのに、アールが覆われざる負えない状況になりました。
建築工事とインテリアが相いれない。機能とデザインが両立できない。
こんな窓リフォームはいやだ!と、取付けチャンネル部材を加工。取り付けるための捨てレールを作成。カットした部材をそれに取り付けて、何とか手が入る隙間をつくり、ハニカムの三方をカットし、えいやっ、と取り付けました。
かくして窓辺に座ってまどろむ想いはエネルギーを使い果たして霧のように薄れ。。。
ベンチ部材はいつの日か取り付けられるのを、養生をしたままの窓とともに壁に立てかけられ待つこととなりました。
この後出張となり、パリに解き放たれ、蚤の市にのみ込まれる運命となったのでした。
改装はつづく。