愛知県警の科捜研で長年にわたり容疑者の心理鑑定を行ってきた。ポリグラフ検査に携わった東海学園大学心理学部本間洋充 教授。科学的視点からの青の照明効果が犯罪を抑制するのかについての話を受講しました。
グラスゴーの事例
青の街灯に変えたら犯罪が減少した。このような話がTVメディアで伝えられました。かつて青の街灯が犯罪抑制効果があると日本で広く伝わりました。
英国・グラスゴーでは、確かに青の街灯にして犯罪は減少したそうです。実はこれは明るくなったため犯罪がしにくくなった。薬物の品質が青の照明では分からなくなった。偽札でも青の照明では判断がつかず犯罪者の取引がしにくくなったため。ーと言うことだったそうです。その地点での犯罪は減少したが、犯罪者は他に移った、という現象だったそうです。
青色防犯灯
日本のメディアで大々的に伝聞されたため、各地で青色街路灯が導入されたそうです。私も、関西支部の色彩学会での研究会に聴講をしに出向いたことがありました。
青色防犯灯として自治会などが導入する例が多く出たそうですが、暗くて見えにくい。憂鬱だなどとして、白色に逐次変更されていったそうです。伝聞を検証無しに信じる。そんな事で、沢山の青い照明が街路灯に採用されました。名前も青色防犯灯と称されるまでになってしまったということです。
橋の橋脚を青く塗ると飛び込み防止になる。あるいは、駅の照明を青にすると飛込防止になっている。そんな話もあるかと思います。
監視性が確保されたので、減少した。
そんなことも、あるそうです。
感情や行動に及ぼす色の影響について、これまで多く語られています。気分や生理状態の変化で、青い競技場だとアスリートのパフォーマンスが向上する!という話まで。
アシックスが青トラックの材料も作っているそうです。青のトラックで好成績がでると語り広まったそうです。青い街灯色による防犯効果から、スポーツでのパフォーマンスまで。さまざまな研究が行われています。
今回は、なかなか聞くことのない、科学捜査研究所に勤め、ポリグラフ操作をしていた!という方による解析。根拠に納得の、興味深いお話でした。