NeoCon2023

2023年6月12日から3日間、シカゴでNeoCon2023が開催されました。NeoConは1969年から開催の世界有数の商業インテリアデザイン展示会です。急速なホームオフィス需要の出現とオフィスの多様化を受け、著しい変化が見られました。ポイントを、家具アウトドア、ファブリックや壁紙の3点でまとめます。加えてトレンドカラーを分析し、顕在傾向を踏まえご紹介します。

オフィスの家具の変容

ラウンド化

メゾンやケルンで見られた家具の変化が、オフィス家具に波及しています。形状はラウンド化。張地はブークレなどの肌触りが良い見た目は着ぐるみタイプ。ホームに見られる床に直接置くタイプも多くなってきています。

モジュラー化

モジュラーシステムのものが多く出ています。オフィスの変化に応じた再構築が可能なもの。追加や変化に柔軟に対応するものが主流となりつつあります。

照明はハンギングパーツでパティションに吊るしたり置ける、工事の不要なタイプ。フレーム構成、マグネットやキャスター、ヒンジが使われています。繋いで構成できるモジュラータイプに変化しています。

ヘイワース75周年

ヘイワースは75周年記念でした。1Fロビーや入り口にグループによるオフィスモデルを展開。本展示会場でもさまざまな新製品が展示され、大人気となりました。

創立75周年記念デジタルニットプロジェクトはBest of NeoConを受賞。オフィスでは初となるグラデーションのニット生地です。Fermタスクチェアはオフィス家具に新鮮な感覚をもたらしました。ヘイワースの自立式パーゴラ。気配を感じながら新たな場をつくります。傘下のグループ企業のアイテムを使用した変化に富む事例展示を展開ました。Poltrona FrauはFoster + PartnersとBayを発表。多様なレイアウトに対応する柔軟なモジュラーシーティングシステムを展示しました。

オカムラ

オカムラのスフィアは、革新的な3Dフィジカルフィットシェルと調整機能です。疲労を最小限に抑えて究極の快適さを提供。環境にも優しいデザインとしてBest of NeoConを受賞しました。

オフィスの中に簡易な間仕切りでスモールスペースを作り出すライブス ポストビーム。「ルームインルーム」がコンセプトです。親密な専用スペースであるとしてBest of NeoConを受賞しました。入り口には地元好みにイエローの椅子貼り地と棚を展示。日本の海洋サルベージ船の網から作られたリサイクルファブリックを紹介していました。現地の嗜好を踏まえ日本らしいデザインソリューションが紹介されていました。

アウトドアアイテム

オフィスに自然を取り込むアイテムが多く見られました。緑化もシステム化しています。仕掛けがわからない、かつ、使い勝手もいいものに進化していました。

明るいアウトドアファニチャーや、ビストロチェアで有名なアウトドア用の家具や照明。テントのようなアウトドア家具など、リラックス製品が沢山出展されていました。

ファブリックや壁紙

吸音ファブリックや自然素材の壁紙。明るさを演出する色。ウエルネスの視点が各所に見られます。音を吸収して集中を促すアコーステックファブリクがとても増えています。自然を思わせるナチュラルな土の色。気分が明るくなるバーンとオレンジや生成り。落ち着く緑味の青のティルブルーやテラの色。突板に金継ぎを施したような壁紙やラフィヤや鉱物。木が多く使われ、自然の素材や色が積極的に取り入れられリネンも増えています。

壁紙

会場では暖かみをオフィスに与える壁紙の展示が目立ちました。

自然からのインスピレーションの色

これまでオフィスに考えられた色が、自然素材や自然の色。暖かみが感じられる色に変化しています。

カラーは、陽気で暖かみのあるオレンジやマスタードイエロー。オフホワイトやテラコッタやアースカラーが多く見られました。これらにモスグリーンなど幅広いグリーンの色。落ち着いて高級感のあるディープ・レッド・ブラウンに白木が目立ちました。

モホークグループは、キノコからインスパイヤされたタイルカーペットを発表。複雑な色調と組み合わせでBest of NeoConを受賞。自然の中に居るような色調が主流として変化しています。