オルガテック東京2023

第2回目となるオルガテック東京2023が、展示面積を約2倍に拡大し4月26日からの3日間開催されました。閉じた籠るための置き家具。協業のためのオープンスタイル。スツールやパネルを合わせたラウンジスタイルと、日本でもトレンドを抑えたコンテンツが登場。カフィススタイルの展示もありました。顕著な変化は、オフィス空間がインテリア性を帯び、壁紙やファブリックに凝ったオフィス空間の提案が出ています。

テーマはシフトデザイン

テーマを「SHIFT DESIGN – デザインは働き方を自由にする」として、国内外から初出展78社を含む約130社のトップブランドが集結し、オフィス関連だけでなく、インテリア企業も参画し展開されました。

オフィス家具メーカーのインテリア化が促進

オカムラ、プラス、コクヨ、イトーキ、ライオン、といったオフィス家具メーカーのブースはよくできていました。空間をデザインしてきた実績が、このような大平面の展示会場で発揮されていました。

中でもオカムラは海外に早くから進出しており発想が群を抜いていました。ネオコンにも出展するという新作が展示され、内容が秀逸でした。6月のシカゴネオコンに行くのでぜひ日本勢の展示を他と見比べたいと思います。プラスはアーチをくぐるデザイン。コクヨは祭りのようなバルーンを展示。ストイックな白い空間に白木で構成した展示で見せました。

白は清潔感がありますが、緊張を感じさせる色でもあります。トレンドのリラックス、暖かみを訴求するというより、素材を見せる感じが強い展示のための展示ブースの感じでした。

個人的には後に紹介するような、ウッディに植物を入れ、インテリア小物も合わせた旬のオフィス空間を具現化した展示方が良かったです。

オフィスもジャパンディスタイル化

どのブースも白木とスチールの組み合わせが主流。程よく日本らしいスタイルで、ジャパンディスタイルオフィスと命名してもいいでしょう。プラスは未来につなげる木材活用プロジェクトとして国産材を活用したオフィス環境づくり。RALを意識したMOKURALを提案していました。

トレンドを抑えたコンテンツが出てきています

これまで海外製でしか見られなかったコンテンツがしっかり作られて来ています。ローソファ、スツール、デジタルパネル、フェルトパティション、個人ブース。

個人で思考を巡らせる閉じた籠るための置き家具。協業のためのオープンスタイル。スツールやパネルを合わせたラウンジスタイルなど、トレンドのコンテンツが揃ってきています。

オフィスチェアのバリエーションも広がり、シェル構造のチェアも多く見られるようになってきていました。

聞いたことのないブランドも散見し、スタートアップ企業や、これまで聞いたことのないメーカーが出ていました。なかなかユニークなものも作られていて、創世記の今は参入チャンスでもあるようです。

オフィス空間がインテリア性を帯びています

リビングのようなオフィス空間が作られてきています。絶妙な高低の組み合わせで、機能を保ちながらラウンジを組んだり、ミーティグブースを造ったりと、オカムラが魅せていました。

持続可能なものづくり

持続可能なものづくりは、今やスタンダードとなりつつありました。

もみ殻を利用したオフィス製品や、未利用材のオフィス家具。リサイクルプラスチック、PETなどを利用したリサイクルファブリック。ここでもオカムラの見せ方はよく、製品、サイズ感、色と、いい感じでした。

ノルは壁紙、ファブリックと、3歩先行くインテリア性重視

上質なリサイクルファブリク。チェアやパティションに、縦糸成型の壁紙まで展示しもありました。3歩先をいく流石のノールのブース。ネオコンが楽しみです。

カフィス・スタイル

インテリア企業の出展は、カフェのようなオフィススタイル、カフィス・スタイルが好感です。

関家具は、クラッシュゲートでも展示。アスプルンドはなんだか楽しくて、いつまでもいてしまうようなブースづくりでした。

オフィスと家庭用インテリアの境界はなくなっています

インテリアで起こった、ファブリックブランドが壁紙を創り、壁紙ブランドがファブリックも出す混在競争が、ここでも起きています。

老舗オフィス家具ブランドはよりインテリア性を帯び、インテリア家具ブランドも、オフィス家具に寄せた製品を出し、アウトドア家具もオフィス分野に混入。

カンディハウス、HIDA、IYOBE、アダル、ニチエス、前出のアスプルンドと、もはやオフィスと家庭用インテリアの境界はなくなり、双方を融合した製品づくりになっています。

その他の家具ブランド、アウトドア系も参入

インテリアの大御所も

川島セルコンの試作ファブリックが良かったです。サンゲツ、スミノエ、東リ、リバコなどがオフィス展示会に出展。川島セルコンのブースは展開性があり面白かったです。

アトリウムのセミナーでも

卵の殻で作った家具など、セミナーも面白かった。