東京2020パラリンピックが始まった。前回は都市装飾の色とデザインについてお話した。今回は旗についてご紹介しよう。
オリンピックのシンボルマークと旗
オリンピックのシンボルマークである5つの輪が、世界の五大陸を表している。それは、ヨーロッパ、南北アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニア。この色が相互の関係と連帯を意味していることはご存知の方も多いだろう。
この5つの色は自然現象を意味している。赤色は火を、青色は水を、緑色は木を、黒色は土を、黄色は砂を意味するという。また、スポーツの5大鉄則、情熱、水分、体力、技術、栄養も意味するそうである。
オリンピック旗は、1920年のアントワープオリンピックから使われているそうだ。ということは、考案より100年近くが経っていることになる。
この5色はピエール・ド・クーベルダン男爵の考案によるものだそうだ。地色の白を加えると、世界の国旗のほとんどを描くことができる、という理由で選ばれていることをご存知だろうか。
そこで、色彩の専門家の方が実際にこの開会式をテレビをずっと見て確認された。その結果によると、この5色が選ばれてから100年以上が経ち、新しい国も多くできているというのに、今回参加の206の国と地域の選手団とその旗には、5色のうちのどれかが必ず使われていることが確認できたという。
参加国の旗の色
東京都オリンピック・パラリンピックの公式サイトで、参加国の旗について紹介されている。
【図解】東京2020大会参加予定国・地域の旗の「色」の数ランキングによると、一番多く使用されている色は赤。愛情や血を意味するものが多いそうだ。
緑は農業や宗教を意味するものが多く、黄色は穀物や太陽を意味するもの、青は空や自由を意味するものが多いとある。
赤に次いで2番目に多い色は白で、『平和と自由を表す』ことが多いとなっている。また、オリンピック旗の白は、平和と競技参加国の友情を示しているそうだ。
私たちを取り巻く気候や情勢は著しく変動しているが、基本の思いと色に託したメッセージに変わりはない。
豊かな色や素材による壁装が、少しでも平和で幸せな暮らしの一助になればと願う