東京2020オリンピック・パラリンピックが始まった。開催が決定されてから、商店街や競技会場では都市装飾が掲示されている。さして気にもとめないで見てきたことかと思うが、何をもとにバリエイションされた色か、皆様はご存知だろうか。
都市装飾旗 かさねの色目
都市装飾について、ご存じだろうか。競技施設やユニフォーム、メダルのリボンなど大会期間中のあらゆるものを彩り、開催国の文化や人を表現して世界に印象付ける。身近なところでは、商店街のバナーなどで長らく目にしてきている。
この東京2020の都市装飾は、古来より十二単などに使用されてきた日本の伝統色手法『かさねの色目』に準じ、色の濃淡を基に藍、紅、桜、藤、松葉を基本の色としてデザインされている。
リオデジャネイロ大会 ロンドン大会
16年のリオデジャネイロ大会では青、緑、黄などの鮮やかな色が国柄を反映して使用され、ロンドン大会ではピンクや紫が使用された。東京2020オリンピックでは、アスリートファーストとして東京らしさを尊重し、あえて派手にしないデザインにしたそうである。
この色は、日本の四季折々の自然の色合いも重ね合わせ、日本の美や美意識を象徴するものでもあるそうだ。
東京2020 マークの色、藍
藍は、日本人に古くから親しまれてきた色で、昨年のパントンのカラー・オブ・ザ・イヤーではクラッシックブルーの名称で青が取り上げられ、日本を表す色として世界でも広く知られいる。紅は日本での祝い事を象徴するおめでたい色として親しまれ、桜は平安時代から日本人に広く愛でられる花の色である。藤は枕草子に登場する美しい花、日本らしい色でもあり、松葉は枕草子で縁起の良い樹として記されている。
エンブレムの色
エンブレムは、江戸時代に親しまれた市松模様を藍で表現したもので、異なる3つの四角形の組み合わせからなる。
開会式で繰り広げられた四角形の組み合わせの舞はこの派生なのであろう。因みにこの四角形は国や文化、思想などの違いがあってもそれらを超えてつながりあう「多様性と調和」を表しているという。
メダリストが手にしているビクトリーブーケは、「復興の印」として宮城県で植えられているヒマワリに、藍色の岩手県産リンドウと福島県産トルコギキョウに、金銀銅に色分けられた大会マスコットの「ミライトワ」があしらわれている。
はたしてパラリンピックでは大会マスコット「ソメイティ」がつくのでしょうか。ピンクでは色があうのか合わないのか。競技も勿論ですが、デザインや色にも目を向けて、この機会に日本らしさや各国のお国柄の色やデザインを楽しまれてみてはいかがでしょう。
画像:Tokyo2020公式サイトより