京都 光峯錦織工房

京都・光峯錦織工房(株式会社龍村光峯)は、錦の伝統織物で知られています。当代、龍村周(あまね)氏にお話を伺うことができました。

光峯は、初代龍村平蔵氏(号・光波)、二代龍村平蔵氏(号・光翔)、織物美術家龍村光峯氏、そして当代の錦織作家龍村周氏と、4代続く老舗です。錦の美を紡ぎ出す技術を磨き、培い、1894年より錦織物の創作を代々続けています。

龍村光峯氏の作品、緞帳「虹しきなみ」を基にした作品は、東宮御所にも納められています。皇室や皇族ともゆかりの深い作品を輩出しています。

緞帳「虹しきなみ」

東宮御所にも納められる緞帳「虹しきなみ」。三笠宮さま、高円の宮さまが訪れた際、高く評価されたという逸品。100色の糸で織られています。

故郷に錦を飾る、錦の御旗と言われるように、錦は「美しいもの」の代名詞として古くから親しまれています。紡ぎ出される錦の魅力は、なんといっても光のあたり加減や見る角度によって変化する美しさ。光沢と色です。

紋紙(もんがみ)を据えた織機で錦を織る工房の様子

古来の貴重な錦織の再現

一般財団法人日本伝統織物研究所 代表理事も務める周氏は、古来の貴重な錦の研究にも深く携わられています。往時の繭や天然染料といった技術伝承の観点をもって研究し、再現を試みられています。

左 緑地花鳥獣文錦 奈良時代の錦織物  正倉院院本袋を再現

中央 赤地花菱?状鳥花文錦 平安時代の錦織物を再現

右 赤地牡丹唐草文錦 室町時代の錦織物を再現

光峯は、京都市伝統産業「未来の名匠(西陣織)」に認定されています。伝統に新たな息吹を吹き込み、再生と発展の途を広げています。