京都 詩仙堂は、凹凸窟。でこぼこした土地に建てられた住居の一室の意味。江戸時代の文人・石川丈山が晩年を過ごした山荘跡なのだそうです。故ダイアナ妃が赤の大きな水玉のワンピースで英国王室チャールズ国王と訪れたことでも知られる山寺です。
凹凸窠の中心には、江戸時代の絵師、狩野探幽が描いた中国の漢晋唐宋時代の詩人三十六人の肖像画があります。各詩人の肖像画の頭上には、石川丈山が隷書体にて記した漢詩が書かれています。四方の壁に掲げた”詩仙の間”を中心としていることから、「詩仙堂」と呼ばれるようになったそうです。
今回2度目となる訪問で、紅葉の撮影が主になりました。
縁側より
軒を通して庭を見ると、野趣豊かな日本の木々の紅葉が楽しめます。ひなびた手摺の節や欄干。細かいところに味わいがあり、住ての思いが感じられます。
日本の原風景が香りたつ
庭に腰をおろしひとときを過ごすと、湯気の香りや烏が鳴く様など日本の原風景の香りが蘇りました。それは、とても大切なもの。都会暮らしですっかり途切れていた香りを蘇らせる体験でした。
確かに住居たる佇まい。庭の手入れをしては楽しんだであろう思いが染み込んでいるようです。
山門らしい構えもひときわ味わいがあります。名残惜しく思わせる、圓光寺とはまた違った丸みのある山寺でした。