隈研吾がデザインを手掛けた京都エースホテル。1926年に造られた旧京都中央電話局を保存した建物と隣接して建てられています。
庇やルーバーのある外観
エースホテルはもともと古い建物をリノベーションして新たに生まれ変わらせる。その土地の記憶を大切にして作るというホテルです。ここ京都では、初めて新たな建設と、古い建物が合わさった形で作られました。
エントランスホール
隈研吾による銅管の照明がグリッド上にデザインされています。ホール中央のカウンターも銅です。
とにかく素敵です。
PIOPIKOタコスレストラン
LAの人気店 Guerilla Tacos のオーナーシェフ:ウェス・アヴィラ。彼が監修するバー&タコスラウンジです。ミシェラン・ガイド・ビブグルマン賞も受賞するロックスター的な評価を得ているそう。
とは言え、レストランが見たくて来ています。幸運にもこの立ち上げ時から関わっているスタッフさんが店を案内してくださいました。
アーティストへの思い
エースホテルはもともとアーティストがよく泊まるホテルだったそうです。作品を置いて泊っていったりしていたというストーリーがあるそうです。現在世界で12件。エースホテルの思いから、音楽やアートを大切にしています。レストラン内にもDJブースがあります。五感で味わうことを思って、場やその時に相応しい音楽を選んでくれていました。
素材のこだわり
ガーカウンターの足元には、ヨシモトという日本人によるラフな木材が貼られています。メンテもしやすく味わいもあるという事で、デザインチームが選んだそうです。
銅がテーマになっていて、カウンターや照明など随所に使われています。カウンターのコーナーには、こけしをモチーフにした照明が。天井の照明も裸電球が網をかけられた日本の作家さんによるデザイン。なかなかいいです。
ラウンジPIOPIKOのバーカウンター裏は隠れ家のような完全個室です。「誰かの家のカウチソファで仲間達とくつろぐ」がコンセプト。特別に見せていただきました。
部屋にはどこもレコードがあるそうで、レストランの個室にもプレイシャーが。
写真家・渡辺克己の代表作である「新宿 1965-97」の作品が壁紙になっています。
ホテル館内のいたるところで使われているしょうぶ学園作によるローテーブル。ゆったりとしたソファ。個性的でパンチのあるインテリアです。スタッフの介入の少ないプライベートな個室だそうです。
2階から、隈研吾デザインの銅管の照明が楽しめます。レストラン内にも銅が使われています。吹き抜けのエントランスホールとデザインが連動しています。
ディティールへのこだわり
自家製トルティーヤはとっても美味でした。思いもかけない食材の組み合わせがハーモニーを生み出す美味しさ。初の日本拠点となる PIOPIKO。地元の素材も取り入れた変革を目指しているそう。珍しいの先にある「本能での美味しさ」を目指しているーという事、本当でした!
インテリアも、ファブリックや壁紙の組み合わせは他では見られないものです。濃いとナチュラルが混ざり合う、個性が楽しめるレストランです。
スタンプタウン京都
スタンプタウン京都は、旧京都中央電話局部分の一階にあるカフェ。京都に海外初出店したStumptown Coffee Roasters。太平洋岸北西部の味を提供しています。
カーテンや照明も素敵です。随所に使われるタイルも、建物と合っていて味があります。
ショッピング街
エースホテルエリアには、駅から続くショッピング街があります。どの店も内装が凝って素敵です。
中庭
新風館
旧京都中央電話局の建物。レンガの貼り方が凝っています。
新風館と名付けられた旧京都中央電話局のエリア。ショッピングモールになっています。二つの建物を囲むように中庭が作られ、現代日本庭園風でとても素敵です。建物に入る前にすっかり時間を撮ってしまうほど素晴らしい。素敵な開発です。
歴史建造物を、コミュニティに生まれ変わらせる
京都の文化的および歴史的建物。そこをを活気あるコミュニティに生まれ変わらせたエースホテル。東京では次々に歴史建造物が壊されますが、このような開発をぜひして欲しい。
居心地のよい、ついつい長居してしまうホテルでした。