パリ・レアール地区の都市開発は、野心的な都市プロジェクトです。地下鉄の駅から地上まで、寛大な公共空間を創生しようというものでした。
かつての市場を開発したレアールは、オープンから 30 年以上が経過していました。そこで、再開発されることになりました。パリ中心部のこの駅は、毎日 750,000 人以上の乗客が通過するそうです。大都市交通網の中心で、首都への最初の玄関口です。そこで、建物の老朽化を改善し安全基準を満たす近代化が計画さました。
キャノピープロジェクト
2010年に始まったプロジェクトのミッション。その範囲は膨大でした。レ・アールに大都市としてふさわしいイメージを与える。地下を改善し、都市の環境に統合して人々にとってより快適にしようというものでした。
そこで、多くの文化施設、店舗、駅への良好なアクセスが追加されることになりました。プロジェクトは、レアール地区の都市開発と、都市にふさわしい建造物を創造。加えて現代の安全基準にそった徹底的な改修を包括して行われることになりました。
キャノピー内部。気持ちよさそうな風が感じられます。
地区全体により多くのオープンな空間を確保するのに、キャノピーが採用されました。これは以前キングスクロス駅で見た手法と同じです。古い物を残しながら内包し、新たな商業空間や駅を作りだします。しかし印象は英国とは異なるなだらかで軽やかな物でした。英国・キングスクロス駅改修は、また別の記事でご紹介します。
こうしてプロジェクトは地上の公共スペースが再編成されました。ホールが出現した部分は再構築して歩行者のアクセスをスムーズに改善。そして地下空間を再構成することとなりました。
☟ 昔の様子と開発の動画URL
https://www.ina.fr/ina-eclaire-actu/video/4360871001018/nouvelle-maquette-projet-des-halles
レアールは、かつて巨大な「バザール」のような特別な場所でした。そこでは、食料品、織物、靴、小物などが売られ、次第に定住して発展していきました。
骨組みと完成予想図
工事の様子を見に行った日はみぞれの一月。写真にみぞれが沢山写ってます(寒)。
どこから見たらよいのか分からないほど巨大な工事空間の出現でした。
こんなに大掛かりな工事も6年で完成するんですね。渋谷や新宿、東京の駅はいつできるのでしょうか。
このプロジェクトも、ザッハハデットさんが関わりいろいろあり代わったような記憶が。
中央をフリーアクセスにしたり、造園家がかかわったプロジェクト。なだらかで有機的。ぴかぴか鈍く光るキャノピーの色も土に馴染み、未来を感じさせます。
2016年4月に完成しました。