「インテリアのパリコレ」とも称される欧州最大級の展示会 メゾン・エ・オブジェ。2021秋は久しぶりのリアル開催となり、世界中の人達が心躍らせて集ました。
数々の展示会が再び延期されている昨今。直近に開催されたこの展示会をもとに、これからの住まいトレンドの考察をHouzzに寄稿しました。
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ステイホームを経て、人々は本質的なもの、誠実さや丁寧な暮らしについてより考えるようになりました。展示会では、持続可能性を実現しながら意味や価値のある創造的インテリアをいかに実現していけばよいかという、「望ましい発展」が、全体の重要な課題として掲げられました。
主な展示のポイントは、持続可能な将来のあるべき発展を提示した「Share(シェア)」、未来に向けての新生活空間の再定義「New Rustic(新しい素朴さ)」や「Leisure(レジャー)」。ワークスペースとオフィスの革新に焦点をあてた「The Work!」や「To Connect(つながる)」。お家時間を気分よくしてくれる「To Be Home(家にいる)」、「To Protect(守る)」です。
注目のトレンドが提示される「What’s New」エリアの展示では、木などによる洗練された仕上の家具や、クラフト感のあるものや不定形なものでつくられた、北欧x日本を踏襲する”ジャパンディ・スタイル”が取り上げられました。
また、家での時間を楽しものにしてくれる、家で何かを育てたり、作ったりして『楽しむためのもの』がレジャーのアイディアとして展示されました。
ポイントは、安らぐ青みがかった緑や、活力を感る黄みの緑。クラフト感を感じさせる籐の鉢カバーやペンダントランプに、コンパクトで機能的なアイアンの家具。ガラス瓶に収められたテラリウムも、可愛いわりに手間がかからず、お家時間の洒落た緑の楽しみ方になります。
紙や段ボールといった素材も取り上げられました。家にレジャー感覚をもたらす自分で作るデコールや、作ったものをコレクションして楽しむアイテムが展示されました。
「新しい素朴さ」では、素材そのものの特徴を活かした伝統的技術や製法を尊重すること。必要に応じリサイクル材を用いること。誠実なプロセスで作られること、オーセンティックな製品を選択することなどが取り上げられました。
数年で陳腐化してしまうような製品を選択しないこと。原材料に留意した永続的なベストセラーのような、環境負荷の少ない製品づくりを尊重して選択していくこと。What’sNew エリアのシェアーでは「あたらしい素朴さ」の数々が提示されました。
これからのインテリアのキモの一つは、モダンなクラフト感。ジャパンディではシンプルかつ上質に触れていますが、レジャー感覚を取り入れた、モダンなトライバル・エスニックも出てきています。
「To Connect(つながる)」では、これからの働き方についてのさまざまな展示がされました。ウェッブ用の照明や、リモートワークのスマート・コネクトなどが提示され、オフィスづくりは次の段階に入ってきました。
家での時間の使い方の新しい提案に加え、外界からの刺激が途絶えがちな中、心を明るくしてくれるもの、明るい色、ほっこりする製品が多くでている。
特に意識をしていないようでも、心は少し乾き気味かもしれません。そんな時、丁寧に作られたもの、心をゆるめてくれるモノたちは、ちょっとしたコーナーで笑顔を誘ってくれるのでは。
展示エリアで使われていた色から抽出した、おススメカラースキーム。
グレーやベージュの穏やかな色調に、深い赤、イエロー、バーントオレンジ、モスグリーン、ピンクでアクセントで変化をつけた、暖かみのあるインテリアが出てきています。