メゾン・エ・オブジェ 2021 9月展より、新時代の暮らしに向けて重要な方向性示す8つのポイントを、インテリアビジネスニュースで解説しました。
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2021年9月9日~13日、1年半ぶりに「メゾン・エ・オブジェ」はパリデザインウィークとともに、リアルの展示会として開催されました。出展者数は減少したものの4万8000人を超えるバイヤーが来場。渡航制限の続く国がある中でフランス国外からも28%の来場となり、特にアメリカからは500人を超える来場者となりました。
出展者においては前回の展示会を上回る平均売上高を受注。会場は活況を呈して世界のバイヤーやデザイナーが実際に訪れたいと思う展示会のひとつであることが証明されました。
この待ちに待たれた展示会より、心躍る新しいものやきらりと光るチェックポイントをピックアップ。「これからの住まい」についての考察を解説します。
■ 機能的メンテナンス性
限られた空間を多目的に使うこととなり、家はメンテナンスしやすく機能的で快適に暮らせる唯一無二のシェルターに
■ ジャパンンディ
物事の本質に焦点を当てシンプルで純粋な環境を作りだすジャパンディ・スタイルは、ステイホームを経て、ますます根強い人気トレンドに
■ ヴァナキュラー
これからの発展や成長に社会的責任は不可避であり、消費者はより持続可能で環境を意識した製品を選択してゆくように
■ ライトグレー
ライトなグレーは空間を広く感じさせ、モダンで、合わせるものによりイメージを変化させる、多用途な空間の要望に対応しやすい色
■ ハーフシアーのソフトなニュアンス
空間に適度な安らぎと光をもたらし、効率よく音や視線を和らげ、気配は遮らない明るくモダンなファブリック
■ モダンにシフトするナチュラル
モダンに姿を変えたナチュラルなテイストが主流となりつつある。
■ TO BE HOME
気分のいい、心がゆるむところにしてくれる、小さくて不可欠なものたち。
■ 心を明るくする、元気をくれる色
ウェルビーイングでいることは重要な関心ごととなった。私たちを元気づけ、心と体の健康をサポートする、心を明るく、元気をくれる色のものが出ている。
■ Z世代を視野に、70年代のノスタルジー
陽気で楽天的であったころの色使いによる新感覚のレトロなコーディネートが定着しつつある。
ポイントまとめ
■サーフェス
手触りよくスムーズでフォルムは角がなくシンプルな形状。メンテナンスが容易なもの。
コラージュの様に組み合わせることにより際立つニュアンスが出せるものが特徴。狭さを感じさせないライトな色調はポイントで、「未来は都市化する」傾向より、顕著な生活感がないスタイル、上質なクラフト感、自然の素材や味わいが感じられる製品を求める傾向は、今後も継続するであろう。
■マテリアル
丸みを帯びた家具を包むブークレ、ベルベット、ウール、リサイクル素材。大理石、テラゾーなど、表情のある素材に注目。
■照明
照明はこれらのニーズを満たすキモとなる。組み合わせで印象的に使え、空間に表情と奥行きを与えてくれるもの。オブジェとしての機能もあわせ持ち、グレアが軽減され光源が直に見えない、心が安らぐ光の質を持つものがよい。
■カラー
カラーは空間を広く見せる明るいもの。部屋の用途を限定しない色で、印象的な形状のものやアクセント色を加えることにより効率的に印象が変化できるニュートラルで機能的なライトグレー。落ち着いた表情を与えるブルーグリーンや黒味の赤、くすんだニュアンスカラー、アクセントにオレンジやイエローなど。
■ファブリック
より重要となっている。カーテンはハーフシアーのもの。かさね使いや間仕切りとして使用でき、ソフトなニュアンスを帯びた、明るくモダンで機能的なもの。ハーフシアーとなり生地が薄くなった分規則正しいソフトなドレープできちんとした表情が出せ、空間の背景としても美しくモダンなもの。
規則正しく深すぎないひだにより視線をほどよく遮り、適度に籠った感覚が得られ、光がやんわりと取り入れられて閉塞感を感じさせないもの。音を吸収してパティションとしても使用でき、多用途に対応するものが、これらの空間にフィットする。