ラ・ロッシュ邸

ラ・ロシュ邸は、近現代建築のはじまりの一つとも言われています。1925年竣工。

ラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸は、絵画コレクターのラウル・ラ・ロシュ氏とコルビジェの従妹、アルベール・ジャンヌレ夫婦のための2棟住宅です。

コルビジェ近代建築5原則の実験の場

コルビジェの近代建築5原則。ピロティ、水平の連続した窓、屋上庭園、自由な平面、自由な立面。これを実験した最初の建築と言われています。この5原則は、後にサヴォア邸で完全な物として実現されます。

ジャンヌレ邸は、現在ル・コルビジェ財団本部の事務局となっています。ラ・ロッシュ邸のみが見学できます。

5原則を具現したサヴォア邸のブログは ☞サヴォア邸

開けたピロティの実現

1900年代に鉄筋コンクリート製の柱が実用化されたことでピロティが実現します。アプローチの開けた空間。それを形成するゆるやかなカーブが、建物を単なる立方体から解放しています。

建築的プロムナード

内部のゆるやかなカーブで連携される1階と2階。ラ・ロッシュ氏のコレックションを展示するためのギャラリーとして設計されています。壁沿いのスロープは、建築的プロムナードとして知られています。

コルビジェの色

床にはコルビジェのあのサーモンピンクが使われています。茶と水色が印象的なアクセントになっています。垂直面にクリームを用いたことで、空間はやわらいでいます。外部の自然から守るような穏やかさを生んでいます。

ここで見る水平の連続する窓は外観を主に成すものに感じます。サヴォア邸での眺めて楽しむ窓には、まだ及んでいないようです。

LCチェアを生み出す基となったようなブルーが、茶のアームチェアに隣接しています。ここにイエローを置いたことで、健康的な明るさが感じられます。

コルビジェは、光を取り入れることにこだわっているのがよく分かります。ガウディがそうであったように、天井の随所に明かり窓を見ることができます。

ガウディの建築はこちらから☞ カサヴァトリョ  カサミラ  サクラダファミリア

ダイニングのチェアは、ト―ネットです。ブルーに塗られたこの椅子。セバスチャンヘルクナー氏によるト―ネットのリ・デザインを想起させます。

住宅構成の4つの型

この邸宅は、内部が自ら広がりその結果外部が決定される。コルビジェの「住宅構成の4つの型」の第一番目にあげられる手法で構成されています。

土地の制限から考えるのではなく、積み木を組むように、内部がつながり形成される。

確かにこの外観を見るとやや不思議でもあり、納得します。

周囲の様子です。真っ白な建造物は、当時さぞモダンに映ったことでしょう。