川島織物文化館 壁紙探訪㊻

11月24日。川島織物セルコンは経営陣が参加する買収によりLIXILグループからの独立を発表。

川島織物文化館

同社は京都に川島織物文化館という美術・博物館も持っています。一企業がこれら文化財や、古くからの織機を維持し続ける。その取り組みは、並大抵のことではないででしょう。

古くから伝わる織機は今も現役で活躍している

60年前、川島織物はル・コルビジェの画をモチーフにした緞帳制作に携わりました。坂倉準三の願いを受けたものです。師であるル・コルビジェがその想いをニースで画にします。

それを、川島織物が東急文化会館の緞帳に表現するという壮大なものでした。

2018年、特別見学会という形で公開されました。

坂倉順三とコルビジェ/坂倉順三展にて筆者撮影
東急文化会館と緞帳 坂倉順三展にて筆者撮影

このコルビジェの画は昼と夜から成ってます。緞帳をみると太陽の様子や、コルビジェのサインが見てとれます。

公開された実際の緞帳。奥の巨大な織機に座る人でその大きさがわかる

この1・5のサイズの緞帳が2018年ふたたび制作され、渋やヒカリエに飾られてい。

再現され、ヒカリエに収められた緞帳 

高度な技術の職人集団

巨匠の画をサイン付きで巨大な緞帳に織り上げてしまうという。こんな大作に挑む会社は高度な職人集団に他なりません。

この日本の財産ともいえる会社。独立により経営の自由度を高めました。長期的な視野で主力事業のインテリア・室内装飾織物などの伝統技術の継承や新商品の開発に取り組んでいくということ。

ぜひ経営基盤を強固なるものとして益々の発展を遂げていただきたい。そして、自由にチャレンジを重ねていっていただきたい思いです。